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あまり乳腺の石灰化を知っている方はいらっしゃらないと思います。

そこでここでは乳腺の石灰化と、乳がんの関係性について紹介していきたいと思います。

女性の方は特に知っておくと良いでしょう。

目次

  • 乳腺の石灰化とは
  • なぜ乳腺の石灰化するのか
  • 乳腺の石灰化は乳がんなのか
  • 乳腺の石灰化の良性と悪性
  • おわりに
乳腺の石灰化とは

どうして乳腺の石灰化が注目されていたりするのでしょうか。

乳腺の石灰化についてまずは見ていきましょう。

まず、石灰化はカルシウムの沈着の総称であり、体中どこにでも起こります。

乳腺では、様々な原因で石灰化が起こるが、乳癌はその1%以下です。

 ※「石灰化の20%が癌」などと書いてある本を見かけますが、大きな誤りです。
 ※「癌を疑い(ST-MMTにより)精査した石灰化の20%で癌が見つかる」が正しい。

乳がん検診といえば、マンモグラフィを使った検査方法が有名です。

マンモグラフィとは乳腺専用のレントゲン検査のことですが、このマンモグラフィを使って発見されるのが「石灰化」した細胞です。

石灰化した細胞とは、がん細胞のうち死滅したものにカルシウムが付着した状態のものです。

このように乳腺にできるしこりの正体が乳腺の石灰化した部分なのです。

なぜ乳腺の石灰化するのか

乳腺の石灰化というものは基本的に誰にでも可能性はありますが、乳腺の石灰化が誰にでも起こるものではありませんし、乳腺の石灰化というものはガンと関係がありますから基本的には審査で乳腺の石灰化だと診断されればショックなものです。

がん細胞の石灰化するしくみをもう少し詳しく見てみましょう。

乳房内(乳腺組織内)のがん細胞が激しく増殖をすると、乳管の内腔に密集してきます。

そのためがんのできた乳管はいわば途中で詰まりを起こしたような状態となり、更に奥にあるがん細胞に栄養が届かなくなります。

するとがん細胞のうち栄養不良となった奥の部分が死滅し壊死状態となります。

壊死したがん細胞の死骸にカルシウムが付着することで起こるのが石灰化です。

このように乳腺の石灰化は起こるのです。

乳腺の石灰化は乳がんなのか

乳腺の石灰化というものは乳がんと関係がありますが、実際にはどのように関係しているのでしょうか。

そして乳腺の石灰化だと診断された方の何パーセントが乳がんなのかという点も気になります。

乳腺の石灰化は危険性のあるものとないものはどのように違うのでしょうか。

石灰化の発見は乳がんの徴候を発見するためのものですが、石灰化があったからといって全てがんであるとは限りません。

乳管からの分泌物が別の原因で結晶化してカルシウムを沈着させる場合もあります。

おおよその数字でみたとき、石灰化が発見されたのちにがんと診断される人は2割程度と言われています。

このようにすべてが乳がんだと考えてはいけません。

ほとんどの方は乳腺の石灰化はあっても乳がんではないと診断されているようです。

乳がん検診をする際、「石灰化」という言葉が多く使われます。

「石灰化」自体は乳がんのことではありませんが、がんから産出される副産物の場合があるため、検診では、乳房内の「石灰化」をさがします。

乳腺の石灰化の良性と悪性

乳腺の石灰化には良性のものと悪性のものがありますからしっかり覚えておかないと乳腺の石灰化と聞いた時にショックを受けてしまいます。

良性であれば問題はありませんが悪性であれば乳がんだといえるでしょう。

では乳腺の石灰化の良性と悪性について見ていきましょう。

良性の石灰化の場合

発見された石灰化でも、良性腫瘍の線維腺腫の場合であれば乳がんの心配はありません。

石灰化された細胞をよく観察してみたとき、比較的粗大な形状をしていれば、良性である可能性が高くなります。

悪性の石灰化の場合

反対に乳がんの疑いのある悪性の石灰化の場合には、針状の細い線や、細かく枝分かれを起こしたような形状をしていることが多くなります。

比較的微細な大きさであったり、多形性という大小統一感のないものが点在している場合には、悪性の石灰化を疑った方がよいでしょう。

ただし、乳がんの疑いのある石灰化であっても、微細な石灰化でとどまっているような場合にはがんが乳管内にとどまり、基底細胞を超えて転移などを起こしていない非浸潤性乳管がんであることが推測されます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

乳腺の石灰化というのがあるということを、ぜひ知っておいてくださいね。